わたしにとって、1つの分岐点になってくれたポスター。

 

転がるように走り、それでも手を伸ばして加速し続けた時間。

 

どうしても向き合いたかった。

どうしても背中を押したかった。

 

出展者ひとりひとりの色を無くすことで

目には見えない色を、焔を感じるようになった。

その背景には、わたしが言葉にはしないメッセージを添えて。

一人一人の魅力であり、強さでもあり、

時には追い風であり、今であり、未来であると感じたメッセージを

わたしなりの形で添えて出来上がったポスター。

 

出来上がった頃には、既にわたしは灰になっていました。

 

焼け野原の中、残り火が何処かで音を立てているのが聞こえる。

虚ろな意識の中で

「わたしは本当に依頼してくださった方に向き合えたんだろうか」

と自問していました。

 

目の前には走馬灯のように移り変わる景色。

それを、ただただ目で追いながら。

 

そこで見た映像から

2枚目の主催者メッセージのポスターが生まれます。

 

尽き果てるほどに挑戦し続け、

沢山失敗し、傷だらけになりながらも走ったその先には

自分でも信じられないような景色がありました。

 

今に良いと腰を据えるのではなく、走る選択をしたわたしにとって

展示会での光景は、まるで白昼夢のようでした。

 

わたしはそれをみて、

この作品を完成させることができたように思います。