1枚目の出展者ポスターを制作した後、わたしは自問していました。
「わたしは依頼してくださった方に向き合えたんだろうか」
ずっと諦めずに手を伸ばしては走り続けたけれど、
別に自信があったわけでもなんでもない。
涙が溢れて消え入りそうになった瞬間になぜか見えた映像。
それは、2年ほど前のわたしの記憶そのもので
とある展示会に出向いたときの映像でした。
当時の記憶や残していた写真からポスターのイメージが湧いたわたしは
再び前を向いて走り出しました。
わたしにとってのdesignというものは本当に急に湧いてくるもので、
糸がつながった瞬間にみえたその絵を現実に起こしています。
己の血液を表す色、生命の赤。
それは、挑み続けた出展者たちの命の色でもあったのかも知れません。
会場に足を運ぶ人々がポスターを前に足を止め、
人生が変わるきっかけになってくれたのなら、嬉しく思います。